NatuVegeGardenでは、九条ネギや汐止晩生葱(しおどめおくねぎ)など、株元から何本にも分かれて増えていく「分けつネギ」を育てています。
こうしたネギを畑に植えておくと、最初は数本だった株が少しずつ増え、いつの間にか大きな塊になっていきます。
育てている側としてはありがたい性質なのですが、大株になってくると、ふと疑問が出てきます。
「このネギ、いつ株分けすればいいんだろう?」
株分けして別の場所へ植え直せば、毎年新しい苗を買わなくても、自分の畑の中でネギを増やしていくことができます。
ところが調べてみると、「春がよい」「秋がよい」「夏に植え替える」と、いろいろな情報が出てきます。
そこで今回は、分けつネギの株分けについて、
- 株分けするのに適した時期
- 春と秋ではどちらがよいのか
- 寒冷地ではいつ植え替えるのがよいのか
- 実際の株分け方法
- 株分けしながらネギをつないでいく育て方
という視点から整理してみたいと思います。
なお、NatuVegeGardenでは九条ネギと汐止晩生葱を育ててきましたが、長年株分けや移植を繰り返してきたため、現在ではどの株がどちらなのか、正確には判別できなくなっています。
そのためこの記事では品種ごとの違いを比較するのではなく、「分けつして株で増えていくネギ」全般として紹介していきます。
分けつネギはなぜどんどん株が増える?

ネギには、1本を太く育てることを主な目的とするものもあれば、株元から新しい芽を出し、何本にも分かれていく性質の強いものがあります。
この、1本の株から複数の芽が出て増えていくことを「分けつ」といいます。
例えば最初は2〜3本だったネギでも、そのまま育てていると、
2本
↓
4本
↓
6本
↓
10本……
というように、少しずつ株が大きくなっていきます。
NatuVegeGardenのネギも、同じ場所で何年か育てていると、かなり大きな塊になっているものがあります。

こうなった株を掘り上げていくつかに分け、別の場所へ植えれば、それぞれの株がまた分けつして増えていきます。
つまり分けつネギは、
育てる → 分けつする → 株分けする → 植え替える → また増える
という循環で維持していくことができます。
ネギの株分けはいつするのがいい?
では、株分けするなら一年のうち、いつがよいのでしょうか。
結論からいうと、分けつネギの株分けは、
極端に暑い時期や寒い時期を避け、植え替え後に根を伸ばせる時期
を選ぶのが基本だと考えています。
大きく分けると、候補になるのは「春」と「秋」です。
春に株分けする場合
春は気温と地温が上がり始め、ネギの根も再び動き出す季節です。
株分け後の活着が比較的早く、その後に長い生育期間が取れるのがメリットです。
一方で、ネギが勢いよく伸び始めてから掘り上げると、一時的に生育を止めることにもなります。
そのため春に行うなら、本格的な生育が始まる少し前から、生育初期くらいまでが扱いやすそうです。
秋に株分けする場合
もう一つの候補が秋です。
夏の高温が落ち着き、土にもある程度の湿り気が戻ってくるため、植え替え作業がしやすくなります。
秋のうちに新しい根を出しておけば、冬を越したあと、翌春から再び生育を始めることができます。
ただし寒冷地では、植え替えが遅すぎると、十分に発根する前に地温が下がってしまいます。
そのため「秋ならいつでもよい」というわけではありません。
寒冷地ではいつ株分けする?

NatuVegeGardenがある長野県小諸市では、冬になると気温が大きく下がります。
そのため関東など温暖な地域の家庭菜園情報をそのまま当てはめるのではなく、地域の気候を見ながら時期を調整する必要があります。
私自身、寒冷地で株分けするなら、大きく二つの時期を候補にしています。
春なら4〜5月ごろ
土が凍結しなくなり、ネギが動き始める時期です。
真冬を越えた株を掘り上げ、混み合った部分を整理して植え直します。
その後の生育期間が長いため、初めて株分けする場合にも比較的やりやすい時期だと思います。
秋なら8月下旬〜9月ごろ
小諸では10月以降になると朝晩の気温が急に下がってきます。
そのため秋に株分けする場合は、あまり遅くならない方がよいでしょう。
真夏の猛烈な暑さが少し和らいだ8月下旬から9月ごろに植え替え、冬までにある程度根を張らせておく。
現時点では、このあたりが寒冷地では使いやすい時期ではないかと考えています。
ただしこれは、標高や日当たり、土の状態によっても変わります。
「○月○日が正解」と考えるよりも、
株分け後に1〜2か月ほど根が動ける気候が残っているか
という視点で判断する方が実用的だと思います。
NatuVegeGardenでは、ジャガイモの後にネギを株分けして植える

NatuVegeGardenでは、分けつネギの株分けとジャガイモ栽培を組み合わせる方法が、畑の循環としてとても扱いやすいと感じています。
小諸ではジャガイモを夏に収穫すると、それまで使っていた畝が空きます。
ちょうどその頃、大株になった分けつネギを整理して株分けする時期とも重なります。
そこで、
春にジャガイモを植える
↓
夏にジャガイモを収穫する
↓
空いた畝を軽く整える
↓
分けつネギを株分けして植える
↓
秋に根を張らせる
↓
そのまま越冬させる
という流れで畑を使っています。
この方法なら、ジャガイモを収穫した後の畝を長く空けておく必要がありません。
また、ネギは一度植えれば分けつしながら長く育てることができるため、毎年すべて掘り上げる必要もありません。
大きくなった株だけを必要に応じて分け、別の場所へ移していけば、畑の中で少しずつネギの栽培場所を広げていくこともできます。
NatuVegeGardenでは、このように、
「空いた畝に次の作物を植える」というより、「畑の中で作物を少しずつ移動させながらつないでいく」
という感覚で栽培しています。
ジャガイモの収穫時期と、秋に向けたネギの株分け時期がちょうど重なるため、この二つは実際の作業サイクルとしてとても組み合わせやすいと感じています。
大株になったネギを株分けする方法

実際の株分けは、それほど難しい作業ではありません。
1.株を掘り上げる
まず、大きくなったネギの株を掘り上げます。
株元ぎりぎりにスコップを入れると根を大きく切ってしまうので、少し離れた場所から土ごと持ち上げるようにします。
多少根が切れてしまってもネギは比較的丈夫ですが、できるだけ根を残しておく方が、その後の活着は早くなります。
2.土を軽く落とす
掘り上げた株についている土を、手で軽く落としていきます。
すると、どこから株が分かれているのかが見えやすくなります。
3.株を分ける
株元を持ち、無理に引き裂かないように少しずつ分けていきます。
自然に分かれるところから分ければ、それほど力は必要ありません。
1本ずつに分けることもできますが、NatuVegeGardenでは2〜3本程度を一組として植える方法も試してみたいと思っています。
一本植えと複数本植えで、その後の分けつや生育に違いが出るのかを見るのも面白そうです。
4.新しい場所へ植える
分けた株を、新しい場所へ植えていきます。
最初からあまり密植せず、今後再び分けつして株が大きくなることを考えて、少し余裕を持った株間にしておきます。
5.植え付け後は乾燥させすぎない
株分け直後は根が傷んでいるため、極端に乾燥させないことが大切です。
NatuVegeGardenでは植え付け後に必要に応じて水をやり、株元には刈った草を薄く敷いて乾燥を防ぎます。
ただし株元を厚い草で完全に覆ってしまうと蒸れやすくなるため、ネギの周囲には少し空間を作っておきます。
株分けするとき、葉や根は切った方がいい?

ネギを株分けすると、「葉を切った方がいいのか」「長い根は切っていいのか」という疑問も出てきます。
基本的には、必ずしも大きく切り詰める必要はありません。
ただ、掘り上げる際に根がかなり少なくなってしまった場合、葉が非常に長いままだと、根から吸える水分と葉から失われる水分のバランスが悪くなることがあります。
そのような場合は、葉先を少し切って負担を減らす方法もあります。
根についても、傷んだ部分や極端に長い部分を整理する程度で十分でしょう。
大切なのは、見た目をきれいにするために必要以上に葉や根を切ることではなく、
植え替え後にできるだけ早く新しい根を出せる状態にすること
だと思います。
株分けしたネギはどれくらいで増える?
これは今後、NatuVegeGardenでぜひ記録してみたい部分です。
例えば、
- 株分けした日
- 植え付け時の本数
- 翌春の本数
- 翌夏の本数
- 翌秋の本数
を同じ株で追跡してみます。
2本で植えたネギが一年後に何本になるのか。
春に株分けしたものと秋に株分けしたものでは、増え方に違いがあるのか。
こういったことは、実際に自分の土地で観察しないとなかなか分かりません。
この記事も、一度書いて終わりではなく、今後の栽培結果を追記していきたいと思っています。
2026年8月の株分けの記録メモ

- 株分けした日 2026年8月19日
- 植え付け時の本数 1本
ネギを全部収穫せず「母株」を残す
分けつネギの面白いところは、すべて収穫してしまわなくてもよいことです。
一般的な野菜栽培では、
種をまく
↓
育てる
↓
収穫する
↓
また翌年種をまく
という一年単位の栽培になりがちです。
しかし分けつネギなら、
育てる
↓
必要な分だけ収穫する
↓
一部を残す
↓
分けつする
↓
株分けする
↓
別の場所へ植える
という循環を作ることができます。
私はこの育て方がとても好きです。
毎年苗を買って植え直すのではなく、自分の畑の環境で育った株を少しずつ増やしながら、次の年へつないでいく。
これは種を自家採種してつないでいくことにも、どこか似ています。
「収穫して終わり」ではなく、
畑の中に次の命を残しながら収穫する。
分けつネギは、そんな育て方がとてもよく似合う野菜だと思います。
よくある質問
九条ネギは植えっぱなしでも大丈夫?
分けつしながら育つため、ある程度は植えっぱなしでも育ちます。
ただし長期間同じ場所に置いておくと株が過密になり、一本一本が細くなったり、株の中心部が弱ったりする可能性があります。
大株になってきたら、株分けして更新していく方が管理しやすくなります。
ネギの株分けは夏でもできる?
できないわけではありませんが、真夏の高温・乾燥時は株への負担が大きくなります。
夏に行うなら、猛暑のピークを避け、曇天や雨の前後など土が乾燥しにくいタイミングを選ぶ方が安全です。
株分けしたネギはすぐ食べられる?
株分けした直後でも食べること自体はできます。
ただし株を増やすことが目的なら、植え替え後しばらくは収穫せず、新しい根と葉を育てる期間を取った方がよいでしょう。
ネギ坊主が出た株も株分けできる?
できますが、花を咲かせている時期は株が生殖成長にエネルギーを使っています。
急いで分ける必要がなければ、開花・結実の時期を避けて株分けする方が扱いやすいでしょう。
種から育てるのと株分けではどちらがいい?
どちらにも良さがあります。
種から育てれば株数を一気に増やせますし、株分けならすでにその土地で元気に育っている株をそのまま増やせます。
NatuVegeGardenでは、種をつなぐことと同時に、株をつないでいく栽培も続けていきたいと思っています。
まとめ|分けつネギは「収穫して終わり」ではない
九条ネギや汐止晩生葱のような分けつネギは、一度畑に定着すると、株分けしながら何年も育て続けることができます。
株分けの基本は、
真夏や真冬を避け、植え替え後に根が動ける時期を選ぶこと。
寒冷地では、
- 春なら4〜5月ごろ
- 秋なら8月下旬〜9月ごろ
を一つの目安として考えています。
そして何より面白いのは、毎年苗を買わなくても、畑の中にある株から次のネギを増やしていけることです。
必要な分をいただきながら、一部を残して次につなぐ。
株が増えたら分けて、新しい場所へ植える。
そうして少しずつ畑の中にネギが広がっていく。
分けつネギは、「育てて、収穫して終わり」という野菜とは少し違う、循環する栽培を楽しめる野菜なのかもしれません。
NatuVegeGardenでも、今年は大きくなったネギの株を実際に株分けし、その後どのように活着し、どれくらい分けつしていくのか観察していきます。
結果については、この記事にも随時追記していきたいと思います。


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