はじめに
ヘーゼルナッツ(ハシバミ)とダウジング。一見まったく関係がなさそうなこの二つには、実は深い歴史的・文化的つながりがあることをご存じでしょうか?本記事では、古代ケルトの神話やヨーロッパの民間伝承を紐解きながら、なぜヘーゼルナッツの木が「目に見えないものを探す道具」として用いられてきたのかを探っていきます。
ヘーゼルナッツとは? 文化と神話に息づく「神聖な木」

ヘーゼルナッツは、ヨーロッパや西アジア原産の落葉低木で、日本では「ハシバミ」と呼ばれます。しなやかで丈夫な枝と豊かな実をつけることから、古来より多くの文化で「神聖な木」として崇められてきました。
ケルト神話では、世界の知恵の源とされる泉の周囲に9本のハシバミの木が生えており、その実を食べた鮭は知恵を授かるとされています。その鮭を食べた英雄が予知能力を得るという伝説から、ハシバミの実は“知恵の実”として尊ばれてきました。
また、ローマ神話においても、神ヘルメス(メルクリウス)が持つ魔法の杖「カドゥケウス」は、ハシバミの枝から作られたとされ、平和と調和を象徴するものとされています(下図)。

ダウジングとは? 地下水を探す古代の技術

ダウジングとは、水脈や鉱脈、失せ物などを見つけ出すために用いられた伝統的な探査技術です。主にY字型の木の枝、L字型の金属棒、あるいは振り子などが使用されました。15世紀頃のヨーロッパでは、鉱山師が地下の鉱脈を探る手段としてダウジングを用いた記録が残っており、その後は井戸掘り、失せ物探し、さらには犯罪捜査や病気の原因探しなど、さまざまな目的に応用されていきました。
中でも有名なのが、17世紀フランスの農夫ジャック・エマールの事例です。彼はダウジング棒を使って殺人犯を追跡し、事件の解決に貢献したとされています。
なぜヘーゼルナッツの枝が選ばれたのか?
ダウジングで用いられる木の枝にはさまざまな種類がありますが、なかでも特に重宝されたのがヘーゼルナッツの枝です。理由は大きく分けて二つあります。
一つ目は文化的・精神的な背景です。ケルトやゲルマンの伝承において、ハシバミの木は神託や占い、魔術に使われる「霊力を宿す木」とされていました。枝には真実を見抜く力があると信じられ、人々はその枝を媒介として、自然や精霊の声を聞こうとしたのです。
二つ目は実用面での利点です。ヘーゼルナッツの枝はY字型に分かれやすく、しなやかで軽く、取り扱いやすい特徴を備えています。さらに、萌芽更新が活発で繰り返し枝を採取できる点も、継続的な使用に適していました。
文学と民間伝承にみるヘーゼルナッツの魔法

ヘーゼルナッツの木は多くの民話や童話にも登場します。たとえばグリム童話『シンデレラ』では、主人公が母の墓に植えたハシバミの木が成長し、白い鳩たちがその木に集い、舞踏会の衣装を届けるという魔法の場面が描かれています。
このハシバミの木は、母の魂が宿る神聖な象徴であり、願いを叶える力を持つ存在として描かれています。またヨーロッパ各地では、ハシバミは火除け・雷除け・魔除けの木として、儀式や家庭のお守りにも使われてきました。
自然とのつながりを感じるツールとしてのハシバミ
現代においては、ダウジングは科学的根拠に乏しいとして疑似科学と見なされることが多くあります。それでもなお、自然と共に暮らす人々の間では、ハシバミの枝を手にして「土地の声」に耳を傾けようとする姿が見られます。
自然との対話の手段としてのヘーゼルナッツの枝。それは、古代から今に受け継がれてきた知恵や祈りの象徴であり、現代人にとっても自分自身と自然のリズムを再確認するきっかけになるかもしれません。
おわりに
ヘーゼルナッツとダウジング。それぞれがもつ歴史と文化、そして精神世界との深いつながり。
それらが人々の暮らしの中でどのように活かされ、自然や目に見えない力と調和して生きてきたのかを知ることは、現代に生きる私たちにとっても貴重な学びとなるでしょう。そうした知恵を通して、自然の声にいっそう素直に耳を傾ける感性が育まれるかもしれません。
ヘーゼルナッツの栽培者としては、ヘーゼルナッツの神聖性を意識していきたいところです。
このような感覚は、日本人には違和感なく受け入れられるものであると思うので単なる食品としてのヘーゼルナッツだけでなく文化的側面も広めていきたいと思います。
ヘーゼルナッツのY字の枝をダウジングに使ってみたいという方がいればインスタやこのブログのほうにメッセージをください。ご要望が多ければ販売も検討したいと思います。
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