土用の土いじりや畑作業ってNG!?実際どうしてるの?2021年版【自然農と暦(こよみ)】
自然農をしていると暦(こよみ)や農事暦(のうじれき)などがとても気になります。
それは、私だけかも知れないのでそんなの気にならないという方は、この記事は読み飛ばしてくださいm(_ _)m
たしかに自然農関連の本を読んでもあまり暦との関連で今回の土用や二十四節気七十二候について書かれた本はないように思います。
ですので気にならなければそれで問題ないのかもしれません。
でも気になるという私のような方のために土用についての考え方を書いてみたいと思います。
土用の土いじりや畑作業ってNG!?実際どうしてるの?【自然農と暦(こよみ)】
昔から土用の土いじりはやっちゃいけないと言われてきました。特に夏の土用は要注意ということで土用の忌避については現代以上に生活に影響していたと思われます。
現代では、夏の土用の丑の日にうなぎを食べるという食習慣が飲食業界のイベントとしてクローズアップされているだけですね^^;
でも実際には暦の中で土用は年4回あります。
各季節の境目(立春、立夏、立秋、立冬)の前日から約18~19日間が土用の期間となります。
ちなみに2021年の土用について見ておきましょう!
2021年の土用の期間はいつからいつまで?
(2021年) | 土用期間(土用入~土用明け・節分) | 二十四節気 |
冬の土用 | 1月17日~2月2日 | 立春2月3日 |
春の土用 | 4月17日~5月4日 | 立夏5月5日 |
夏の土用 | 7月19日~8月6日 | 立秋8月7日 |
秋の土用 | 10月20日~11月6日 | 立冬11月7日 |
上の表をみると土用の期間は、四季(春、夏、秋、冬)がはじまる前に設けられているのがわかりますね。
季節の変り目に土用があるんですねー!
次の季節に入っていくための準備期間とも捉えることができます。
そもそも土用って何?なぜ土をいじってはいけないのか?
「土用」という言葉(概念)は、古代中国の思想である陰陽五行説に由来します。
五行説とは、簡単にいうと万物の要素は「木火土金水」という5つの要素でできているという考え方です。
そこに暦の二十四節気の考え方と組み合わさって、四季の中にこの「木火土金水」の要素を割り当て考えるようにしたんです。
- 春=木
- 夏=火
- 秋=金
- 冬=水
あれ?「土」はどこいった?となりますね。
この「土」の要素をそれぞれの季節の変り目に持ってきて「土用」の期間としました。
「土」の要素は、生み出す、創造するというイメージと土に還るという言葉があるように死や破壊というイメージも持っています。
「土」には、破壊と創造という性質・イメージがあるんです。
他の要素の基礎というか大元的な感じですね。
ですので、各季節の始まる前に「土用」を当てて次の季節の準備期間としています。
土用は、暦の上で「雑節(ぞうせつ・ざっせつ)」といわれるものの一つです。
二十四節気の考え方が日本に取り入れられてから日本の気候風土に合うように独自に付け加えられたものが「雑節」です。
土用以外の雑節を紹介
- 節分 立春の前日2月3日頃の節分がメジャーですが、文字のごとく各季節の分かれ目(立夏、立秋、立冬)の前日に節分がある。
- 彼岸 春分と秋分の前後3日ずつあって、計7日間のこと。彼岸の入り、中日、明けと3区分ある。
- 社日 春分と秋分にもっとも近い「戊(つちのえ)の日」に春の社日は、五穀の種を神社に供えて豊作を祈り、秋には収穫のお礼参りをする日
- 八十八夜 立春から数えて八十八日目。毎年5月1日頃。霜が降りる心配がなくなる頃。
- 入梅 太陽が黄経80度を通過した日。6月10日頃。
- 半夏生 7月1日頃。夏至から11日目。梅雨の終期で田植えを終える目安とされる。
- 土用 季節の変り目(立春、立夏、立秋、立冬)の前日から18日間。
- 二百十日 9月1日頃。立春から二百十日目。稲の開花の時期で台風に注意する頃。
- 二百二十日 9月10日頃。立春から二百二十日目。二百十日と同じく台風に警戒する頃。
雑節をみてみると農作業との関わりが多いのがわかると思います。
日本に暦(二十四節気)の考え方が入ってきた昔は、農業が国の基幹産業ですから暦をより活用して農作業をするために雑節が加えられていったというのは想像できますね。
さて、土用に話を戻します。
では、なぜ土用に土をいじってはいけないのか?
昔の人は、「土用」の期間に土の神様が次の季節を生み出そうと土の気を盛んにしているので人間がその気を乱してはいけないと考えていました。
そのために土を動かしたりすることやなにか新しいことに取り組むことなど全般は、土の気を犯すことになり忌避されることとされていました。
土用の期間は、気が不安定になっているのでいろんなことに慎重に取り組むべき期間と考えられていたようです。
たしかに季節の変り目は、何かと天候も不順で心身ともに影響を受けて体調不良にもなりやすいですよね。
そのような自然の動きの中で季節の変り目は要注意だぞという注意喚起ともとれます。
土用の期間にやってはいけない具体的な行動とは?
具体的にどういった行動をしてはいけないのか紹介していきます。
土に関する全般がNGとなります!
具体的には、
- 建築基礎工事
- 庭工事(ガーデニングなど)
- 土木工事全般(穴掘り、溝掘り、伐採など)
- 畑作業(植え付け、草刈り、畝立てなど)
土に関する行動以外にも旅行や引っ越しなどの移動もNGとされています!
え!移動もダメなのとなりますね(-_-;)
土用の期間は、年間で72日間もあるのでこれだけあると現代では、行動がかなり制限されます。
昔も土用期間に建築や土木工事ができないとなると何かと不都合ということで、土用期間でも土をいじって良い日というのが設けられています。
「間日(まび)」といいますが、その日だけは土の神様が文殊菩薩に呼び出されて天上に行くので土の気が落ち着くために土いじりがOKとなっています。
なんだか随分都合がいいんですけど・・・となりますが、
そこは仏教から知恵を拝借した感じですね(^^)
その「間日」の考え方がなかなかよく考えられていて面白いので紹介しておきます。
土用の「間日(まび)」とはいつ?2021年の土用の間日はいつになるの?
土用の間日は、十二支、方角との関係で設定されています。
各季節の土用で間日が設けられています。
- 冬の土用 寅、卯、巳の日
- 春の土用 巳、午、酉の日
- 夏の土用 卯、辰、申の日
- 秋の土用 未、酉、亥の日
旧暦の暦には、各日にちに十二十二支が割り振られていて、
「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」の十二支が12日間で一周します。
昔の人は、暦をみて各土用の間日を確認していたんですね。
ちなみに2021年の土用の間日がいつになるのか調べてみました!
気になる人は、参考にしてください!
(2021年) | 土用期間(土用入~土用明け・節分) | 間日(まび) |
冬の土用 | 1月17日~2月2日 | 18日(寅)、17日(卯)、21日(巳)、30日(寅)、31日(卯)、2月2日(巳) |
春の土用 | 4月17日~5月4日 | 19日(申)、27日(巳)、28日(午) |
夏の土用 | 7月19日~8月6日 | 19日(辰)、23日(申)、30日(卯)、31日(辰)、8月4日(申) |
秋の土用 | 10月20日~11月6日 | 26日(未)、28日(酉)、30日(亥) |
間日に土いじりや移動を行えば、土の気に影響されることはないですよ。
土用殺という特に悪い方角もあるので注意!
各季節の土用には、特に悪い方角が設定されています。
それを「土用殺(どようさつ)」といいます。
なんだか物騒な言葉ですが、
凶とされる方角への移動は特に注意が必要とされます!
各季節の土用の凶とされる方角を紹介しておきます。
- 冬の土用 北東(丑寅)
- 春の土用 南東(辰巳)
- 夏の土用 南西(未申)
- 秋の土用 北西(戌亥)
上の二十四節気と干支の図を見てもらえればわかりやすいのですが、
各土用の次の季節の方角が「凶」とされる方角だとわかります。
つまり、次の季節を迎えるために気を整えているのに整う前にその方角に先に行くなよという意味だと思います。
移動するなら土用があけてからがいいですね。
昔の人は、方位の吉凶もとても気にしながら生活していたので土用にもそういった考えが取り入れられたようです。
旅行や引っ越しをするならしっかりと準備をして、体調を整えてから移動しなさいという意味なんでしょう。
できるだけ土用はさけて、土用期間中は計画や準備をしっかりとするという風に考えたほうがいいのかもしれません。
おわりに
「土用」って調べてみるとなかなか奥が深くて、昔から日本の気候風土に合わせて考えられているのでそれなりに理があるのだと思います。
昔の暦は、農作業とも密接に関わるものなので自然農との相性はとても良いと感じています。
例えば、夏の土用の期間は、確かに暑くて仕事にならないですし、土用明けからの秋冬野菜の作付け計画を立てたり、種や苗の準備をしたりする期間とするのがとてもいいようです。
土用だけでなく二十四節気を意識しながら農作業をしていくと、なんだかとてもしっくりとくるのでぜひ試してもらいたいなあと思っています。
昔の人の知恵をかりつつ自然と向き合いながら畑作業をするととても気持ちがいいのでおすすめです。
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