アース電池とは?自然農の畑で作物の生育と虫害への影響を実験してみる

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自然農の畑で、少し変わった実験を始めてみることにしました。

テーマは、土と電気です。

土に銅のパイプやアース棒を差し込み、少し離れた場所に鉄の棒を差して電圧を測ってみる。
すると、ごくわずかですが電圧が確認できました。

今回、NatuVegeGardenの畑では、北側に銅系の電極、南側に鉄筋棒やユニクロメッキの全ネジ棒を差し、約2mの間隔で測定してみました。
結果は、0.1〜0.2Vほど

とても小さな電圧です。
けれど、たしかに土の中に何らかの電気的な差が生まれていることが分かりました。

この電気は、いわゆる「自然電流」なのでしょうか。
それとも、銅と鉄などの異なる金属が、土の中で小さな電池のように働いているのでしょうか。

まだ、はっきりした答えは分かりません。
だからこそ、自然農の畑で実際に観察してみたいと思いました。

アース電池とは何か

アース電池とは、簡単に言えば、土を利用した小さな電池のようなものです。

湿った土に、銅と鉄、銅と亜鉛など、異なる種類の金属を差し込むと、その間にわずかな電位差が生じることがあります。

土には水分があり、鉱物があり、微生物がいて、有機物もあります。
その土が電解質のように働くことで、金属の間に小さな電圧が発生します。

昔から、こうした仕組みは「アース電池」や「地電池」のように呼ばれてきました。
現代ではあまり一般的に語られることはありませんが、土と電気の関係は、地球物理学や土壌、微生物、電気化学の分野ともつながる、とても奥深いテーマです。

ただし、ここで大切なのは、土に金属を差して電圧が出たからといって、それがすべて「地球から流れてくる自然電流」だとは言い切れないということです。

銅と鉄、銅と亜鉛のような異なる金属を使えば、それだけで電池のような反応が起きる可能性があります。
土壌水分、pH、温度、酸素の量、微生物の働きなどによっても、電圧は変わるはずです。

つまり、アース電池は夢のあるテーマでありながら、きちんと観察しないと誤解しやすいテーマでもあります。

自然電流とは何か

地球には、自然に生じる電気的な流れがあります。
地中を流れる自然の電流は、地電流やテルル電流と呼ばれることもあります。

雷、太陽活動、地磁気、地下水、鉱物、地質構造など、さまざまな要因が関係していると考えられています。
地質調査や資源探査の分野では、こうした自然の電気的な変化を利用する方法もあります。

けれど、畑に銅と鉄の棒を差して測った電圧が、そのまま自然電流だと考えるのは、少し早いかもしれません。

今回のように異なる金属を使っている場合、まず考えられるのは、土の中で銅と鉄が小さな電池を作っている可能性です。

だから今回の実験では、
「自然電流を利用して作物を育てる」
と最初から決めつけるのではなく、

土の中に微弱な電位差や電場がある状態をつくると、作物や虫害にどんな変化が出るのか

を、自然農の畑で観察していきたいと思います。

なぜ自然農でこの実験をするのか

自然農を続けていると、土は単なる作物の支えではないと感じます。

土の中には、目に見えない世界があります。
微生物がいて、菌糸が伸び、水が動き、根が呼吸し、鉱物や有機物がゆっくりと変化しています。

そこに、電気的な働きもあるのではないか。
もしそうなら、作物の根の伸び方や、微生物の働き、植物の健全性に、何らかの影響があるのではないか。

そんなことを考えるようになりました。

無肥料・無農薬栽培では、外から肥料や農薬で強くコントロールするのではなく、土と作物が本来持っている力をどう引き出すかが大切になります。

もし、土の中の微弱な電気的環境が作物に影響しているなら、それは自然農にとって、とても面白いヒントになるかもしれません。

もちろん、すぐに「作物がよく育つ」「虫が減る」と言えるものではありません。
むしろ、そう簡単に断定してはいけないと思っています。

でも、分からないからこそ、実際に畑で測り、観察し、記録してみる価値があると思うのです。

今回、畑で測ってみた結果

今回の簡単な予備実験では、NatuVegeGardenの畑に次のような形で電極を設置しました。

項目内容
場所NatuVegeGardenの畑
北側の電極銅パイプ、または銅メッキされたアース棒
南側の電極鉄筋棒、またはユニクロメッキの全ネジ棒
電極の間隔約2m
測定電圧約0.1〜0.2V

結果として、0.1〜0.2Vほどの電圧が確認できました。

南側に刺した鉄筋で計測(鉄筋は1mで地中に約80㎝打ち込み)
鉄筋棒から北側に2mはなして打ち込んだ銅パイプ(1mの銅パイプを地中に80㎝打ち込み)

これは、電池として見ればとても小さな電圧です。
LEDを明るく光らせたり、何かの機械を動かしたりするようなものではありません。

けれど、作物の根や微生物の世界から見たとき、このような微弱な電気的な差がまったく意味を持たないのかどうかは、まだ分かりません。

自然農の畑では、ほんの少しの水分の違い、草の残し方、根の張り方、土の締まり具合によって、作物の表情が変わることがあります。

ならば、土の中の微弱な電気的環境も、何らかの形で作物や虫害に影響する可能性があるのではないか。

そんな仮説を持って、これから観察していきます。

この電圧は自然電流なのか

今回測定した0.1〜0.2Vの電圧について、現時点では、自然電流そのものを直接測定したというより、銅と鉄、または銅と亜鉛メッキの間で起きる土中電池の反応である可能性が高いと考えています。

これはとても大事な点です。

「土に棒を差したら電圧が出た。だから自然電流だ」
とすぐに言ってしまうと、実験としては少し雑になってしまいます。

異なる金属を湿った土に差し込めば、土が電解質のように働き、電位差が生まれることがあります。
つまり、今回の電圧は、地球から自然に流れている電流だけではなく、金属と土の関係によって生まれたものかもしれません。

ただ、それでも実験の価値がなくなるわけではありません。

むしろ大切なのは、
そのような微弱な電気的環境が、作物や虫害にどのような影響を与えるのか
という点です。

自然電流なのか、土中電池なのか。
あるいは、その両方が少しずつ関係しているのか。

そのあたりも含めて、これから丁寧に見ていきたいと思います。

実験の目的

今回の実験の目的は、大きく2つあります。

1つ目は、農作物の生育に変化が出るかどうかです。

具体的には、発芽率、草丈、葉数、葉色、根の張り、収穫時の重さなどを見ていきます。

2つ目は、虫害に変化が出るかどうかです。

無農薬栽培では、虫との関係はとても大きなテーマです。
虫を単純に悪者として見るのではなく、作物の状態や畑全体のバランスの表れとして見ることもあります。

もし微弱な電場や土中の電気的環境が、作物の健全性に影響するなら、結果として虫害の出方にも違いが出るかもしれません。

ただし、虫が電気を嫌がって直接減る、というような単純な話ではないと思っています。

植物の根の張り方が変わる。
葉の状態が変わる。
土壌微生物の働きが変わる。
その結果として、虫害に差が出る可能性があるかもしれない。

そんな視点で見ていくつもりです。

観察していく項目

今後、主に次のような項目を観察していきます。

作物の生育

  • 発芽率
  • 草丈
  • 葉数
  • 葉色
  • 根の張り
  • 収穫時の重さ

虫害

  • 食害の有無
  • 食害の程度
  • アブラムシなどの発生
  • ハムシやヨトウムシなどの被害
  • 被害の出る時期

土と電気の状態

  • 電圧の変化
  • 雨の前後の違い
  • 乾燥時と湿潤時の違い
  • 土壌水分
  • 地温

特に、写真はできるだけ残していきたいと思います。
数字だけでは分からない作物の雰囲気や、葉の質感、虫害の出方なども、写真で見比べることで分かることがあるからです。

石油や外部資材に頼りすぎない農へ

いまの農業は、燃料、肥料、農薬、資材、輸送など、多くの部分で石油や天然ガスなどの化石資源とつながっています。

もちろん、それらをすべて否定するつもりはありません。
現代の農業を支えてきた大切な技術でもあります。

けれど、これから先の時代を考えると、外からの資材に頼りすぎない農のあり方を、もっと真剣に探っていく必要があると感じています。

自然農や無肥料・無農薬栽培は、そのひとつの道です。

そして今回のアース電池や自然電流の実験も、すぐに大きな答えが出るものではありませんが、
土そのものの力をもう一度見つめ直すための、小さな入口
になるのではないかと思っています。

土の中には、まだ分かっていないことがたくさんあります。
目に見える肥料成分だけではなく、微生物、菌、根、鉱物、水、空気、そして電気的な働き。

そうした見えない世界を、自然農の畑で少しずつ観察していきたいと思います。

まとめ

今回は、自然農の畑で始めるアース電池と自然電流の実験について紹介しました。

NatuVegeGardenの畑では、銅系の電極と鉄系の電極を約2m離して設置したところ、0.1〜0.2Vほどの電圧が確認できました。

現時点では、この電圧が自然電流そのものなのか、銅と鉄による土中電池の反応なのか、はっきりとは分かりません。
むしろ、土中電池としての反応が大きい可能性があります。

けれど、大切なのは、そこからさらに一歩進んで、
その微弱な電気的環境が、作物の生育や虫害にどのような影響を与えるのか
を実際に観察していくことだと思っています。

すぐに答えを出すのではなく、測り、比べ、記録し、考える。
自然農の畑だからこそ見えてくることがあるかもしれません。

これから、この実験の様子を少しずつ記録していきます。


次回予告

次回は、実際に畑で行った電圧測定について、
電極の種類、設置方法、測定値、雨や土壌水分による変化などを、もう少し詳しく紹介する予定です。

「畑に銅と鉄を差すと本当に電圧は出るのか?」
そんな素朴なところから、少しずつ見ていきます。

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