自然農では、一度畝を作ったらその畝を耕さずに毎年野菜を育てていきます。
畝以外の通路なども耕すことはありません。
慣行農法のように耕運機などで畑全体を耕すこともありません。
畑を耕さいないということは、そこには草がどんどん生えてきます。
そこで、生えてくる草を刈って畝にどんどん載せて敷き詰めていくのが自然農の草マルチです。
自然農の草マルチについて、その草マルチのやり方などを紹介していきます!
自然農の草マルチとは?
自然農では、自分の菜園・畑に生えている草を刈って畝に敷き詰めます。
この刈草が昆虫たちのすみかになったり、朽ちて微生物などに分解されていくことで野菜の栄養になっていきます。
肥料を買ってきて菜園に投入することはしないのが特徴です。
では、実際の草マルチのやり方を紹介していきます!
自然農の草マルチのやり方はどうするの?
自然農の草マルチのやり方は、草は抜かずに地上部の草をノコギリ鎌などで刈り取っていくのが特徴です。
※ノコギリ鎌ってなに?という方はこちらの記事をどうぞ!
なぜ草を抜かないのかというと、
草の根っこは、土の中にたくさんの根を張り巡らせていますが、その根が土を耕す役目をしてくれているんですねー!
草が枯れて朽ちていく過程で根っこの部分も土の中で空洞になり、土の中がスポンジのような構造になっていきます。
これは土の中にも酸素が行き届き、水はけがよく保水力もある土壌微生物も多い土になります。
このような土は野菜がよく育つ土です。
草の根を抜かないことでそのような効果が期待できるわけです。
さらに、地上部を刈り取った草を野菜の周りに敷くことで野菜の周辺の草の勢いが抑えられて、日光や風通しがよくなり野菜の生育がよくなります。
また、草マルチをしておくことで夏場の強い日差しによる土の乾燥や気温の上昇を抑えてくれる効果もありますね。春先や晩秋では防寒効果も期待できます。
自然農の草マルチの注意点とは?
野菜の種類によっては、乾燥が好きな野菜や湿気が好きな野菜など特徴があります。
野菜の特徴によって草マルチのやり方も変えていく必要があります。
例えば、トマト、ピーマン、ナスなどの夏野菜は暑さや乾燥が好きな野菜ですので、梅雨明けまでは株元付近はできるだけ乾燥するように草マルチはあえて行いません。
梅雨が明けたら株元まで草マルチをして極度の乾燥や温度上昇を緩和します。
株元に草が生えてきたら地上部を刈って、株元から少し離して草を敷きます。
草マルチするほどの草がない場合はどうするの?
家庭菜園などでは、草マルチするほどの草が生えてないよー(T_T)
という場合もあるかもしれません。
その場合は、初めだけ緑肥とよばれる草の種を菜園の周りや通路の真ん中にまくことをおすすめします。
おすすめの緑肥を紹介しておきますね。
エンバク(燕麦)野生種
1年生のイネ科植物です。根が地中深くまで伸びて、土をよく耕してくれます。
さらに大根、ニンジン、レタスなどに悪影響を及ぼすキタネグサレセンチュウやキタネコブセンチュウといった虫に対しても忌避効果があると言われています。
エンバクの種まき時期
- 高冷地 4月下旬~9月上旬(春まきまたは夏まき)
- 暖地 3月上旬~11月下旬(春、夏、秋まき)
オーチャードグラス
多年生のイネ科植物です。いわゆる牧草ですね。
エンバクと同じく根が土の中深くまではるので土をよく耕しくれます。
毎年生えてくるので刈り放題です。寒さにも強いので信州でもおすすめです。
うさぎなどの餌にもいいですよ。
クリムソンクローバー
1年生のマメ科植物です。根に根粒菌がついて窒素を土中に固定してくれます。
土の表層部分に根がはるので土を耕してくれます。
赤い花が咲くので見た目もきれいです。
ヘアリーベッチ
1年生のマメ科植物です。見た目はカラスノエンドウに似ています。
根に根粒菌がついて窒素を土中に固定してれます。
ツル性でつるの長さは2mぐらいにも成長しますが、支柱になるものがない場合は、地上から50cmぐらいの高さで繁茂します。
寒さに強く、よく繁茂してアレロパシー作用(他感作用)もあるので他の草を寄せ付けない効果もあります。
耕作放棄地や果樹園の除草対策にも用いられています。
アレロパシー作用(他の種を発芽させない作用)があるので大根などの種まき野菜を育てる畝の近くにはまかないように注意しましょう!
まとめ
自然農の草マルチについて紹介してきました!
野菜の性質を見極めて草マルチを敷いていくことが重要です。
自然農をはじめたばかりの菜園では、すぐに草マルチの効果が発揮されるわけではありませんが毎年草マルチをすることで土がどんどん豊かになっていきます。
それにともなって野菜も健康に育ち、病気や虫にたべられることも少なくなっていくので楽しみながら草を刈って敷いていきましょう。
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