立春が過ぎて雨水が近づいてくるとじゃがいもの種芋がホームセンターやタネ屋さんに並ぶようになりますね!
今回は、自然農的な春じゃがいもの植え付けについて紹介していきます。
自然農では、春じゃがいもをどのように植え付けているのかナチュベジガーデンの事例などを紹介していきます。
ナチュベジガーデンは、長野県小諸という地域にある農園で標高は約700mで冷涼な気候です。
本格的な春は、一般地に比べると2週間~3週間は遅くなるような場所です。
そういう場所で小さな畑で野菜を育てていくとなるとできるだけじゃがいものような栽培期間が長めの作物は、春の早い段階から育てていきたい野菜です。
そこで畑に種芋を植え付ける前に種芋に芽出しをしてから畑に植えるということをしています。
そうすることで畑に植えてからの成長期間を長くとることができて、収量もしっかりと確保できるようになります。
早速見ていきましょう!
自然農の春じゃがいもの芽出しのやり方いろいろ
3月ぐらいから大きめの発泡スチロールに籾殻を入れて種芋を並べて屋内やビニールハウスの日当たりの良い場所に置いて芽出しをおこなっています。
じゃがいもは日光にあたると表面が緑色になってきます。
じゃがいもって、根っこが肥大したものではなくて茎にデンプンを貯めて肥大化したものだからですね!
地下茎ってやつです。
なので葉緑素があるので日光があたると緑色になるということです!
種芋を太陽に当てて暖かくしてやると休眠が解けて芽が出始めます。
休眠が溶けると急速に伸び始めるので芽がしっかりと出てきたら芽出し完了です。
じゃがいもの休眠を解く方法いろいろ
じゃがいもは、冬の間は発芽しないように発芽抑制ホルモンが働いています。
発芽抑制ホルモンは、じゃがいものヘソの部分に多く含まれているそうで、ヘソを取り除くとホルモンが効かなくなり芽が出始めるようです。
この方法は、まだ試したことがないので今年実験的にやってみようと思っています。
どのような結果になったのかは、またレポートしていきますのでお楽しみに!
自然農の春じゃがいもの植え付け方法について
芽出ししたじゃがいもは、大人の拳よりも一回り小さいぐらいものであればそのまま植えていきます。
丸のまま植える種芋の場合は、芽の元気がある部分を上にして植え付けていくので、植え付ける方向を意識しながら下になるような芽は取り除いて目数を調整しておきます。
この段階で芽数を調整しておくと、植えてから芽かきをしなくてもよくなるんですよ!
芽数は、3つを目安にしています。
とり過ぎに注意ですよ!
大きな種芋(80g以上)の場合は、半分か3つに切って植えるようにしています。
切り方のポイントは、芽がたくさん付いているところからヘソにかけて半分に切ります。
切ってすぐに植えると切断面から雑菌が入りやすくなり、種芋が腐ってしまう確率が上がるので半日~1日は、切断面を乾かしてから植えています。
植え付け時のポイント
実際に畝に植え付けていく時は、芋の間隔を30cm程度とって芽がでているほうを上にして植えていきますが、自然農の場合は畝の表面の土をできるだけ動かしたくないので、植える部分だけ穴を掘って植えていきます。
植穴の深さは、種芋の厚みの2倍程度です。
植えたあとは、植穴の部分に枯れ草を薄めにのせて、保湿と出てきた芽が霜に合わないようにしておきます。
じゃがいもの連作障害について自然農的解決方法を紹介!
じゃがいもは、南米アンデス原産のナス科です。
慣行栽培では、前作と同じ畝や同じナス科のナス、トマト、ピーマンなどを植えたところに植えると連作障害を起こすと言われています。
自然農では、できれば同じ場所で同じ野菜を作り続けるのは良くないと言われていますが、小さい畑ではなかなかそうも言っていられない状況にもなります。
そこで連作障害の心配がなく、同じ場所でじゃがいもを作り続ける方法として、同じ畝にネギを密植しておくと良いです。
にんにく、ニラ、玉ねぎなどでも良いと言われています。
ナチュベジガーデンでは、下仁田ネギか九条ネギを混植するようにしています。
なぜネギがじゃがいもの連作障害を防ぐのかは、ネギの根に共生している微生物菌のおかげで連作障害を起こす菌が増殖しないとか、ネギの根からでる根酸によって原因菌が殺菌されるからとも言われています。
実際のところは、まだよくわかっていません。
自然農は、そもそも草や虫を敵としないで共生しながら野菜を育てていくので、単一の野菜だけで一つの畝が存在することがありません。
自然農では一つの畝の中にいろんな草や別の野菜が共生しているので、そういった多様性があるおかげで特定の病原菌などが増殖することがほぼない、バランスのとれた環境が作られているような気がします。
おわりに
自然農のじゃがいも(種芋)の芽出し方法や植え付け方法について紹介してきました。
人が畝を耕すことがなく、穴だけ掘って植えるだけでじゃがいもができるのかと疑問に思われる人も多いのですが、実際にうまくじゃがいもができるんです!
しかも同じ場所で作り続けても連作障害がでないということがやってみるとわかります。
百聞は一見にしかずです。
ただし自然農をはじめて1~2年目の畑で自然環境が整っていない場合、うまく育たない可能性が高いです。
その場合でも諦めずに草の多様性や野菜の混植を継続していくと年々環境が整っていきますので、継続して手入れしていくことが大切です。
次回の記事では、じゃがいもの植え付け後のお世話について紹介していきます。
お楽しみに!
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