【初心者向け】自然農の魅力と実践方法｜無農薬・無肥料で育てる持続可能な農業

1. 自然農とは？持続可能な農業の基本

自然農は、できるだけ自然の力に任せて作物を育てる農法です。人間が過度に手を加えず、土や生き物が持つ力を信じて栽培します。

この考え方は、1940年代に岡田茂吉さんが提唱した「自然農法」や、1970年代に福岡正信さんの著書『わら一本の革命』によって広まりました。福岡さんは 「耕さない」「肥料を与えない」「草を取らない」「農薬を使わない」 という4つの原則を示し、自然の力を最大限に活かす方法を提案しました。

また、近年では川口由一さんも自然農を提唱し、奈良県で長年にわたり実践を続けながら、多くの人にその考えを伝えています。

彼の方法は、肥料や農薬を一切使わず、土を耕さず、草や虫と共存しながら作物を育てることを基本としています。

特に、土壌を一切いじらずに自然のバランスを尊重する姿勢は、福岡正信さんの自然農とも共通しつつ、より徹底した不耕起の実践を重視しています。

川口さんは、弟子や実践者を育て、全国に自然農の考え方を広めています。例えば、彼の畑では、四季折々の野菜が自然のサイクルに従い育ち、種を自家採取しながら循環型の農業を実践しています。

また、枯れた植物をそのまま地表に敷くことで土壌の保湿と微生物の活性化を促し、より豊かな土づくりを行っています。

自然農と共通する考えを持つ農法には、自然農法、自然栽培、有機栽培があります。

これらの農法はすべて、化学肥料や農薬をできるだけ使わず、自然の力を活かすことを重視しています。

ただし、それぞれが発展した背景や目的には違いがあります。

自然農法は、持続可能な農業の実現を目指しつつも、ある程度の人間の介入を認めた方法です。

自然栽培は、より実践的で収量を確保しながらも農薬や肥料を避けることを目的としています。

一方、有機栽培は環境への配慮と安全な食品の供給を目的とし、有機認証制度などの商業的な側面も含まれています。それぞれの違いを理解することで、自分に合った農法を選ぶことができます。

農法	特徴	違い
自然農	人間の手を最小限にし、自然の力に任せる	化学肥料・農薬を使わず、自然と調和することを重視
自然栽培	木村秋則さんの「奇跡のリンゴ」で有名。農薬や化学肥料を避けるが、状況に応じて土壌管理を行う	自然農ほど厳密ではなく、実用性を考慮する
有機栽培	有機肥料（堆肥や動物の糞など）を使い、化学農薬を避ける	外部から有機物を持ち込む点が特徴的