自然農で使うノコギリ鎌の選び方|鋼・ステンレス・刃の厚みを実体験から解説

鋸鎌の選び方 道具

自然農を始めるなら、最初に一本持っておきたい道具の一つが**ノコギリ鎌(鋸鎌)**です。

ホームセンターへ行くと、数百円のものから少し高価なもの、鋼製やステンレス製など、意外とたくさんの種類があります。

「どれを選んでも同じなのでは?」

と思うかもしれません。

私も最初はそれほど違いを意識していませんでした。

ところが実際に自然農の畑で何種類か使ってみると、刃の厚みや材質によって使いやすさ、切れ味、耐久性がかなり違うことがわかってきました。

特に自然農では、単純に草を刈るだけではありません。

作物の株元の草を整理したり、密集したイネ科の草を刈ったり、ときには土の中へ刃を入れて宿根草の根を切ったりすることもあります。

そのため、市販されているノコギリ鎌の中でも、自然農に向いているものと、少し使いにくいものがあります。

この記事では、実際に自然農の畑でノコギリ鎌を使ってきた経験から、

  • 鋼とステンレスはどちらがよいのか
  • 刃は厚い方がよいのか
  • 安い鎌と高い鎌は何が違うのか
  • 初心者ならどんな鎌を選べばよいのか

について、できるだけわかりやすく紹介します。


自然農では、なぜノコギリ鎌をよく使うのか

一般的にノコギリ鎌というと、稲刈りなどに使う鎌というイメージがあるかもしれません。

しかし自然農では、非常に用途の広い道具です。

私の場合は主に、

  • 畝の草刈り
  • 作物の株元の細かな草整理
  • 密集したイネ科の草を刈る
  • 宿根草の太い株元や根を切る
  • 植え付け場所の草を整理する
  • 必要に応じて土の表面を少しほぐす

といった作業に使っています。

刈払機では作物のすぐ近くまで入れませんが、ノコギリ鎌なら株元数cmのところまで確認しながら草を整理できます。

自然農では草をすべてなくすのではなく、作物と草とのバランスを見ながら必要な部分だけ整理していくため、小回りの利くノコギリ鎌との相性が非常によいのです。

関連記事:自然農の畝と通路の草整理


結論|最初の一本なら「適度に厚みのある刃」を選ぶ

先に私なりの結論を書いておきます。

自然農初心者が最初の一本を選ぶなら、

刃が薄すぎず、手で軽く力をかけても簡単に大きく曲がらないノコギリ鎌

がおすすめです。

さらに、

  • 手入れを簡単にしたい → ステンレス
  • 研ぎながら長く使いたい → 鋼
  • 草刈り中心 → 標準的な厚さ
  • 宿根草や硬い草にも使う → やや厚め

という考え方で選べば、大きく失敗しにくいと思います。

価格だけで判断するのではなく、自分が畑で何に使うのかを考えて選ぶことが大切です。


選び方① 刃の厚みと剛性を見る

私がノコギリ鎌を選ぶときに、かなり重要だと思っているのが刃の厚みと剛性です。

以前、100円ショップのノコギリ鎌を実際に使ってみたことがあります。

新品の状態では普通に草を刈ることができ、切れ味そのものは決して悪くありませんでした。

ところが、自然農の畑で使っていると問題が出てきました。

刃が比較的薄いため、

  • 密集した草をまとめて刈る
  • 太い草の株元を切る
  • 宿根草の根に刃を入れる

といった場面で刃がしなりやすく、力が逃げてしまいます。

刃が大きく湾曲すると、こちらが加えた力が刃先までうまく伝わりません。

結果として、余計な力が必要になって疲れやすくなります。

厚ければ厚いほどよいわけではない

ただし、単純に「一番厚い鎌を買えばよい」ということでもありません。

刃が厚くなるほど、

  • 重くなる
  • 細かな作業がしにくくなる
  • 軽い草をテンポよく刈る用途には大げさになる

場合があります。

自然農で一本を幅広く使うなら、

軽さを残しつつ、必要以上にしならない程度の厚み

がちょうどよいと思います。

店頭では刃のしなりを確認する

ホームセンターなどで実物を選べる場合は、刃の背側を指で軽く押してみると違いがわかります。

もちろん強く曲げる必要はありません。

何種類か比べるだけでも、

「これはかなり柔らかい」

「こちらはしっかりしている」

という違いを感じられるはずです。

※刃先は非常に鋭いので、確認するときは絶対に刃先を指で触らないようにしてください。


選び方② 鋼とステンレス、どちらがいい?

ノコギリ鎌を探していると、

鋼製(鉄・炭素鋼系)

ステンレス製

の製品があります。

どちらが優れているというより、特徴が違います。

鋼製ノコギリ鎌の特徴

鋼製の魅力は、なんといっても刃物としての扱いやすさです。

製品による違いはありますが、一般的には、

  • 切れ味を出しやすい
  • 研ぎ直しながら使える
  • 道具を育てる楽しみがある

というメリットがあります。

一方で最大の弱点はサビです。

草を刈ったあとには植物の汁や水分が付きます。

そのまま物置へ入れてしまうと、思った以上に早くサビが出ることがあります。

そのため、

「使ったら汚れを落とす」

「乾燥させる」

「必要なら薄く油を塗る」

という手入れが必要です。

ステンレス製ノコギリ鎌の特徴

一方、ステンレス製の最大のメリットは、サビに強く管理が楽なことです。

家庭菜園で週末だけ使う方や、

「農具のメンテナンスにはあまり時間をかけたくない」

という方には、とても扱いやすいと思います。

特に自然農を始めたばかりの方には、私はステンレス製も十分おすすめできます。

鋼とステンレスの比較

項目鋼製ステンレス製
切れ味○~◎
研ぎ直ししやすい製品による
サビにくさ
手入れ必要比較的楽
初心者
道具を長く育てたい

※材質だけで性能が決まるわけではなく、実際には鋼材の種類、熱処理、刃の形状などによって製品ごとの差があります。

私ならどう選ぶ?

初めて一本購入する方には、

管理の楽なステンレス製

でもよいと思います。

例えば、こんなノコギリ鎌です。
この千吉ブランドのノコギリ鎌は、ステンレス製ですが切れ味抜群で気持ちよく草がかれますよ!

一方、

「研ぎながら一つの道具を長く使いたい」

「刃物のメンテナンスも楽しみたい」

という方には、鋼製をおすすめします。

私はどちらかといえば後者です。

きちんと研いだ鎌がよく切れるようになると、道具への愛着も増してきます。


選び方③ 鋸刃の形や粗さを見る

ノコギリ鎌の特徴は、名前の通り刃先がノコギリ状になっていることです。

一見するとどの商品も同じに見えますが、よく見ると鋸刃の大きさや形状が違います。

一般的なノコギリと同じように、大きめの刃は対象へ食い込みやすく、細かな刃は比較的滑らかに切りやすい傾向があります。

ただし、ノコギリ鎌の場合は「荒目」「細目」だけで優劣を決める必要はありません。

自然農では、

  • 柔らかい一年草
  • 硬くなったイネ科
  • 太い草の茎
  • 絡み合った草

など、いろいろな状態の草を同じ鎌で刈ります。

そのため一本目としては、極端なものより標準的な鋸刃の方が使いやすいでしょう。


選び方④ 刃渡りと柄の握りやすさも意外と重要

刃ばかり気にしがちですが、実際に長時間使うと柄の握りやすさもかなり重要です。

刃が大きすぎると細かな作業がしにくい

自然農では作物の株元ぎりぎりまで草を刈ることがあります。

そのため、大きすぎる鎌よりも、小回りの利く一般的なサイズの方が扱いやすい場面が多いです。

特に、

苗と苗の間

株元

畝の側面

などでは、大きな刃より操作しやすさが重要になります。

私も刃渡りが長いものと短いものを使い分けています。

柄は実際に握ってみる

ホームセンターで購入するなら、ぜひ一度握ってみてください。

確認したいのは、

  • 太すぎないか
  • 細すぎないか
  • 滑りにくいか
  • 手首に無理な角度がかからないか
  • 振ったときに重すぎないか

です。

数分なら気にならなくても、30分、1時間と草を刈っていると小さな違いが疲労につながります。

私は、刃だけでなく手に持ったときのバランスも大切だと思っています。


100均のノコギリ鎌は使える?

「とりあえず100均でいいのでは?」

と思う方もいるでしょう。

実際に使ってみた経験から言うと、

100均のノコギリ鎌でも草は十分刈れます。

新品時の切れ味だけなら、それほど大きな不満を感じない製品もあります。

ただし、私が使ったものでは、

  • 刃が薄い
  • 刃先が傷みやすい
  • 硬いものへ使うとしなりやすい
  • 比較的早く研ぎ直しが必要になる

という印象がありました。

実際に使ってみた具体的な感想は、「ノコギリ鎌の研ぎ方・メンテ完全ガイド」をご覧ください。

ですから、

100均でも十分な人

  • 小さな家庭菜園
  • 柔らかい草が中心
  • 使用頻度が低い
  • まず試してみたい

もう少ししっかりした鎌がおすすめな人

  • 自然農で頻繁に草整理をする
  • 草の量が多い
  • 硬いイネ科が多い
  • 宿根草の株元や根にも使う
  • 何年も手入れしながら使いたい

と考えるとよいでしょう。

安い鎌が悪いということではありません。

用途に対して十分かどうかで判断するのが一番だと思います。


値段が高いノコギリ鎌ほどよい?

刃物については、ある程度までは価格と品質に相関があると感じています。

価格が高いものでは、

  • 刃材
  • 刃の厚み
  • 焼き入れ
  • 刃と柄の取り付け

などに手間がかかっているものがあります。

ただし、

高価=自分にとって使いやすい

とは限りません。

年に数回しか使わない家庭菜園で高級な鎌を買う必要はないでしょう。

逆に、自然農のようにシーズン中ほぼ毎週使うなら、少ししっかりした道具を選ぶ価値があります。

価格そのものではなく、

使用頻度 × 作業内容 × メンテナンスする気があるか

で考えるのがおすすめです。


用途別|こんなノコギリ鎌を選びたい

自然農をこれから始める人

おすすめは、

扱いやすい標準サイズ+ステンレス製

です。

まずは草整理に慣れることを優先し、メンテナンスの負担を減らします。


草の多い畑で本格的に使いたい人

刃に適度な厚みがあり、しなりにくいタイプ

がおすすめです。

特にメヒシバなどのイネ科が密集する場所では、刃の剛性が作業性にかなり影響します。


宿根草の根や硬い草にも使いたい人

やや厚めで剛性のある刃を選びます。

薄い刃は土中で力をかけると変形しやすいためです。

ただし、本来ノコギリ鎌は土を掘る道具ではありません。

石の多い場所へ強く差し込むと刃を傷めるので注意してください。


道具を研ぎながら長く使いたい人

鋼製のしっかりしたノコギリ鎌

をおすすめします。

使用後に洗浄・乾燥し、定期的に研ぐ手間はかかりますが、道具の状態を自分で維持していく楽しみがあります。


ホームセンターでノコギリ鎌を選ぶときのチェックリスト

最後に、実店舗で選ぶなら次のポイントを確認してみてください。

□ 刃が薄すぎないか
□ 軽く力を加えても大きくしならないか
□ 鋸刃がきれいにそろっているか
□ 鋼かステンレスか
□ 柄を握ったとき手に合うか
□ 刃と柄の接合部にガタつきがないか
□ 重すぎないか
□ 自分が刈る草に合っているか
□ 研ぎ直して使いたい製品か

私は特に、

「刃の剛性」「柄を握った感覚」「材質」

の3つを確認します。

ネット通販では確認しにくい部分なので、最初の一本はホームセンターや農具店で実物を触って選ぶのもよいと思います。


ノコギリ鎌は「買って終わり」ではない

よいノコギリ鎌を選んでも、使い続ければ当然切れ味は落ちてきます。

特に自然農では、草だけでなく土や硬い植物に刃が触れるため、一般的な草刈りより刃先を傷めやすい使い方になります。

そのため私は、

選ぶことと同じくらい、研ぐことが重要

だと思っています。

少し切れ味が落ちた段階で刃を整えておけば、完全に切れなくなってから大掛かりに研ぐ必要もありません。

ノコギリ鎌の具体的な研ぎ方については、こちらの記事で写真付きで詳しく紹介しています。

「ノコギリ鎌の研ぎ方・メンテ完全ガイド|ダイヤモンドやすりの選び方と手順」

また、実際に自然農でノコギリ鎌をどのように使って草を整理しているかについてはこちら。

「自然農の畝と通路の草整理|草を敵にせず、草マルチとして活かす方法」


まとめ|「よく切れる」だけでなく、自分の畑に合った一本を

ノコギリ鎌は一見すると単純な道具ですが、実際に使い比べてみるとかなり違いがあります。

選ぶポイントをまとめると、

  • 刃が薄すぎない
  • 必要以上にしならない
  • 初心者や手入れを楽にしたい人はステンレス
  • 研ぎながら長く使いたい人は鋼
  • 柄の握りやすさも確認する
  • 使用頻度と用途に合わせて価格を決める

ということになります。

私が特に大切だと思っているのは、高い鎌を買うことではなく、自分がどう使うのかを考えて選ぶことです。

小さな家庭菜園で柔らかい草を時々刈るのであれば、安価な鎌でも十分かもしれません。

一方、自然農の畑で頻繁に草を整理し、宿根草や密集した草にも使うのであれば、少し刃のしっかりした鎌を選んだ方が、結果的には作業も楽になり長く使えます。

そして良い道具ほど、使い捨てにせず、研ぎながら付き合っていきたいものです。

自分の手になじんだノコギリ鎌が一本あると、日々の草整理がずいぶん気持ちのよい作業になります。

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