天然塩(天日塩)と精製塩の見分け方とは?本物の塩について調べてみた!

「塩」って毎日料理で使う基本の調味料ですが、塩について調べてみるといろいろあることがわかってきたのでシェアしていきたいと思います。

毎日使うものだから身体に良い本物の塩ってどんなものなのか?

本物の塩=天然塩(天日塩)と精製塩(人工的に加工された塩)の見分け方などについてもお伝えしてきます。

早速みていきましょう!

天然塩(天日塩)ってどんな塩?

天然塩とは、字のごとく人工的に加工などを加えずに作られる塩のことなんですが、

古来より各地の地形や天候などの特徴を活かしながらいくつかの方法で作られてきました。

日本では、すでに縄文時代から製塩が行われていたようです。

遺跡から製塩に使われた土器が出土することから、海水を煮沸して塩を結晶化させて製塩していたことが判明しています。

おそらく初期の製塩は単純に海水を煮沸していただけかもしれません。

古代になると海藻を天日乾燥させながら海水をかけて海藻の表面の塩分濃度を上げてからそれらの海藻を煮て、煮汁をさらに煮沸蒸発させて塩を作る方法が登場しました。

そのような海藻を使って作られた塩が「藻塩(もしお)」と呼ばれ、古文書などにも「藻塩」という言葉が登場してきます。

古代にはすでに揚浜式塩田や入浜式塩田の海水濃縮方法があったことがわかっています。
それらの方式は、中世、近世、近代(1972年のイオン交換膜方式が登場する)まで改良をされながら続いてきた方法です。

ちなみに現在では、古式の製塩がみられるところは伊勢神宮や宮城県の塩竈神社でおこなわれる神事や無形文化財に指定されている石川県の珠洲市の揚浜式塩田や兵庫県赤穂市に揚浜式塩田や入浜式塩田が復元されて観光施設として活用されています。

上記のような方式で作られた塩は、すべて天然塩ですね!

天然塩の種類

「塩田塩」

太陽の力(天日)と干潟に塩田を設けてつくる天然塩です。
文明の生まれた三角州地帯にはかならず塩田があり、塩作りが行われていました。

「湖塩」

海が後退して湖になったところが干上がって塩分濃度が上がり、塩の結晶が露出してできる場合や陸地の湖で水の流入はあっても出ていくところがない場合で乾燥が激しく蒸発して塩分濃度が上がってできる場合があります。

ウユニ湖、死海、グレートソルト湖などが有名ですね。

「岩塩」

数億年前は海だったところで塩分濃度が高かったところが地中に埋まり高温高圧化で結晶化して岩のようになったものです。

世界各地に岩塩が採掘されているところがあって、有名なところではヒマラヤ山脈やアンデス山脈、アルプス山脈などに産地があります。

※EUでは岩塩について規制があって流通販売するためには、一度岩塩を溶解させて重金属などを取り除いてからでないと販売できないという規制があります。
残念ながら日本では、そのような規制はありませんので重金属などが含まれたままの岩塩が流通してしまっている可能性がありますので注意が必要です。

「海塩」

塩田を使わずに海水を煮出した塩のことです。

地形的に塩田ができない地域で作られる塩です。ミネラル分が少ないマイルドな味が特徴です。

精製塩ってどんな塩?

1972年にイオン交換樹脂膜法という海水から直接塩をつくる方法が実用化されて、塩化ナトリウム99%以上の塩が作られるようになって誕生したのが精製塩です。

もう一つは、オーストラリアやメキシコで作られる天日塩を精製して作る再加工塩も精製塩となります。

現在の日本で流通している食品として塩は、これらの精製塩というのが実態です。

食べる以外の塩は、工業用として様々な製品の製造に塩が使われています。

日本で製造されている精製塩で食べる塩と工業用として使用されている塩の割合は、なんと2:8で圧倒的に工業用途がほとんどです。

高度経済成長期の日本で工業用の塩の需要が一気に高まり、イオン交換樹脂膜法という画期的な方法が開発実用化されて安価に製造できる精製塩が登場したことがわかりますね。

見方を変えれば、工業重視でその一部を食料の塩としても活用したというのが実態でしょう。

「食卓塩」や「食塩」として販売されている塩は、いわゆる精製塩です。

人間の身体に必要な塩は天然塩それとも精製塩?

答えは人間がとるべき塩は、天然塩ですね。

その理由は、天然塩には海水に含まれている微量元素が多く残っているからです。

現在確認されている海水に含まれる元素は約80ほどもあります。

そしてそれらの微量元素が生命の維持に欠かせないものなんです。

生命の誕生を支えた母なる海は、生命に必要な元素をバランスよく含んでいます。

それらの微量元素をできる限り残した状態の塩が天然塩(天日塩)ということになります。

精製塩は、塩化ナトリウム99%という純度のため海水に含まれている多様な元素はほとんど除去されてしまっています。

天然塩と精製塩、再加工塩の見分け方を紹介!

販売されている塩のパッケージ裏側の原材料表示と製造工程を見るとわかります。

スーパーなどで販売されている塩のパッケージの表示を見比べていきましょう!

まずは我が家で普段よく使っている塩からです。

オーストラリアの天日塩(商品名:南の極み)は、太陽と風の力だけで海水を蒸発させて塩を結晶化させて作られた天然天日塩です。
裏側の表示をみると製造方法という項目があり、その中の「工程」という部分が見分けるポイントになります。

この「南の極み」は、製造工程が「天日、洗浄、乾燥、粉砕」と書かれています。

続いて、別の塩をみていきましょう!

スーパーでよく販売されている人気のある「伯方の塩」を見てみます!

伯方の塩は、裏面の製造方法の表示をみると

オーストラリアかメキシコの天日海塩に日本の海水を混ぜて作っていることがわかります。

工程は、輸入してきた塩田塩を海水と混ぜて溶解させてから真空式の釜で蒸発させて塩を作っています。

工程をみるとこの塩は、再加工塩であることがわかります。

なぜこのような再加工塩が登場したのか、その理由が裏面のパッケージにかかれていました!

文章を読むと製塩業者の努力が垣間見れますので、ぜひ一読してほしいと思います。

日本の塩事情の大きなターニングポイントは、イオン交換膜方式が登場した1972年(昭和42年)だったようです。

当時は法律で一部の製法以外は海水から直接製塩することが禁止されていたんですね!

この一部の製法というのは、イオン交換膜方式による製法でしょうね。
この方式を導入できない従来の製塩業者にとってはなかなか厳しい状況だったのでしょう。

それで従来の製塩業者は、輸入天日塩田塩を使う選択肢しかなかったということらしい。

海水から製塩することが許可された平成9年の塩専売法の廃止まで、日本ではイオン交換膜方式の塩(精製塩)がほとんどだったということなりますね。

今では想像できないほど消費者の塩の選択肢が乏しい状況ですね。
これはなかなかすごい状況です(・_・;)

なんだかいろいろ闇がありそうなニオイがプンプンしますが、また今回の主旨とはずれてしまうので別の機会に探究してみたいと思います。

岩塩の事例とおすすめ岩塩を紹介!

比較的手に入りやすいおすすめの岩塩は、「アルペンザルツ」です。

この岩塩の製造工程をみると、

「溶解、立釜、乾燥、混合」です。

岩塩を一度溶かしてから真空釜で水分を蒸発させてから乾燥工程を経て炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを混ぜて作られた塩です。
大分類としては、再加工塩に分類される塩ですね。

ただヨーロッパでは、塩の原材料は岩塩を使うことが多く、ヒ素などの有害な重金属が含まれている危険をさけるために溶解させて再結晶させる工程が必須とされる規制があります。

逆に日本で流通販売されている岩塩にはそのような規制がないので採掘した岩塩をそのまま洗浄、選別しただけの岩塩があるので注意が必要です。

安全・安心な岩塩を選ぶには、かならず裏面の表示をみるようにしましょう!

摂るべき天然天日塩田塩のおすすめは!?

今ではいろいろな塩が手に入りますが、どういう塩が身体に良いのかという視点で選んでみると、

やはり天然塩で海水に含まれる微量元素が多く含まれている天日塩田塩が良さそうです。

日本でそのような理想的な塩を今でも作っているのが伊勢神宮です。

伊勢神宮は、おそらく創建当初から神事に塩が用いられてきたようですが、独自に塩づくりもおこなっています。

引用文献:『神々の饗 太陽と土と海の恵み』柴田書店 p.134

その製塩方法は、古式入浜式塩田で濃度をあげた塩を竈門で焚き上げて、半年ほど保管してニガリを抜いた塩を独特な三角錐の形をした土器に詰めて焼くというものです。

かなり手間暇をかけて神様に供える塩や神事に使うを作っています。

おそらくこの伊勢神宮の塩作りで作られた塩が古代から人が食してきた最善の塩ということができますが、この伊勢神宮の塩は手に入りません。

そこで、この伊勢神宮の塩と同じような塩をさがしてみて見つけた塩が韓国の塩田塩です。

韓国の太平塩田で生産されている天日だけで作られる天日塩です。

太平塩田は、広大な干潟を利用している塩田で海のミネラルだけでなく山からのミネラルも豊富に含む海水を利用しています。

このような自然条件も伊勢神宮の塩田と似たものとなっています。

伊勢神宮の塩田の海水も河口付近の海水を利用しています。

この太平塩田の塩田塩は、焼く工程は入っていないので伊勢神宮の塩と同じようにするには焼く工程を入れる必要があります。

焼く工程は、焙烙(ほうろく)や陶器の焙煎器で塩を煎ることで同じような性質の塩にすることができます。

ない場合はステンレス製のフライパンで煎ると良いです。

自分で塩を焙煎するのは手間ですが、焙煎した塩の美味しさは格別で身体に染み込む感覚がありますよ(^^)

お試しあれ!

※太平塩田の塩田天日塩は、こちら↓ ↓ ↓のサイトから購入可能です

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まとめ

美味しい身体に良い塩は、天然天日塩の一択です。

できるならその天日塩を焙煎することで美味しさが増し、人が摂るべき塩になります。

塩について調べていくとどんどん塩沼に入り込んでしまって、抜け出せなくなってしまっています(^^)

今は、いろんな塩が手に入る状況で消費者が自由に塩を選べる反面、その選択基準について明確にもっている人はほとんどいないのではないでしょうか。

毎日口にする塩という食材で人間の生命維持に必須であるにもかかわらずです。

最近の研究では、高血圧などの成人病の原因の一つに精製塩のとりすぎが要因ではないかという指摘もあります。

この記事が少しでも読者の方の塩を選ぶ基準づくりに参考になれば幸いです。

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