自然農の畑では、耕すことをせず生えてくる草をマルチ代わりにして畝を豊かにしていきます。
そうして敷草をしているとその下には、たくさんのミミズさん達が土を耕してくれているのですが、そうするとミミズが大好物のモグラがよく畝に入ってきます。
モグラが畝にはいると当然野菜の根っこなどが被害を受けて、野菜が弱ってしまったりいきなり枯れるということが起こります。
でもモグラもコガネムシの幼虫なども食べてくれるのである面益獣(人間にとって利益になる動物)でもあります。
なんとかモグラと共生できないものかといろいろ調べていたときに出会ったのが「柿酢」でした。
これはやってみる価値がありそうだと思って、柿酢づくりにチャレンジ中です。
この記事では、『現代農業』2020年9月号に掲載されていた島田博文さんの柿酢づくりの記事と佐々木忠蔵さんの記事をまとめて紹介していきます。
柿酢づくりやその効果について参考にしてみてください。
柿酢の作り方は簡単ほったらかしでOK?
必要な材料は、柿だけでOKです。
柿の種類の甘柿でも渋柿でも作ることができるので余った柿があれば柿酢をつくることができるので助かります(^^)
早速、柿酢の作り方をみていきましょう!
柿酢の作り方① 下準備
収穫した柿を2週間ほど放置しておきます。
熟して軟らかくなるまで置いておきましょう。
このときのポイントは、柿のヘタを下にして並べておくとヘタの中に隠れている小さな虫が落ちてくれて、余分な水分も抜けやすくなります。
柿酢の作り方② 仕込み
①の軟らかくなった柿をヘタをとりながらカメや漬物樽にいれていきます。
このときの柿の表面にある白い粉をできるだけとらないようにします。
この白い粉を拭き取ったり、洗い流したりしないように注意しましょう。
この白い粉の正体は、発酵に必要な酵母菌などが含まれているのでとってしまうと発酵が進まず柿酢ができなくなってしまいます。
柿を入れ終わったら、棒などで搗きながら柿を潰しておきます。
柿酢の作り方③ 発酵と熟成
②の仕込みが終わったらカメを納屋や物置などの冷暗所に置いておきます。
このときカメは密閉せずに通気を保っておくことが必要です。
蓋などがある場合は、少し発酵ガスが抜けるように隙間を確保しておきましょう。
しばらくすると発酵が進んでブクブクと泡がでてきます。
冬場の間にゆっくりと発酵するので、時々撹拌する程度でOKです。
保管場所の温度によりますが、翌年3月~5月頃にはできあがります。
柿酢の作り方③ 柿酢の搾り(採取)
うまく発酵が進めば5月の連休明けごろに柿酢ができあがってきます。
カメの表面はもろみでおおわれている状態なので、島田さん方法はこのもろみの中にステンレスのザルを沈めて滲み出てきた柿酢をお玉ですくってペットボトルや瓶に移す搾り方です。
島田さんの搾り方は、時間はかかりますがシンプルで搾りの道具がいらないのでいいですね。しかもザルで濾すよりも澱の量が格段に少ないそうです。
それでも多少の濁りや澱はあるので、気になる場合はコーヒーのペーパーフィルターで濾すとクリアな柿酢ができあがります。
柿酢の酸度(pH)は、約1.6ぐらいです。
柿酢の作り方④ 搾り粕の活用
柿酢の搾り粕は、そのまま肥料として活用できます。
搾り粕は、すでによく発酵したものなので野菜の元肥や追肥として利用できます。
島田さんは、同量の米ぬかと混ぜて水分量を調節しながら団子にして野菜の株間に1個ずつ穴を掘っていれているそうです。
米ぬかと合わせることで肥料効果のバランスはよさそうです。
柿酢の使い方は?野菜栽培や料理にも使える!
搾った柿酢は、野菜サラダのドレッシングの材料としても使えますよ!
水で薄めてそのまま飲むのもOK!
大カメに1回仕込めば、一家では使い切れない量の柿酢ができるので50倍~200倍の希釈倍率で野菜の栽培に活用できます。
- 原液のまま 除草効果
- 50倍希釈 モグラやネズミよけ効果
- 100倍~200倍希釈 野菜の成長促進、病害虫防除
『現代農業』2020年9月号の佐々木忠蔵さんの記事では、自家製柿酢を50倍で畑に散布するとネズミの被害がなくなったそうです。
柿酢は、モグラにも効果がありそうなのでモグラが入ってほしくない畝には一面に柿酢を散布しておくと良いですね。
柿酢の香りが畝一面に広がって、この匂いが嫌いでモグラやネズミが寄ってこなくなるようです。
まとめ
柿酢は、渋柿でも甘柿でも余った柿で簡単につくれるので柿がいっぱい手に入ったらぜひ作っておきたいですね。
柿酢づくりは、時間はかかりますが手間はほとんどかからないので仕込んでたまに見て待つだけというお手軽酢です。
料理にも野菜栽培にもつかえるのでぜひ挑戦してみてください!
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