家庭菜園・小規模農家向け自家製ミニビニールハウス(育苗用)の作り方を紹介!

ミニビニールハウス 道具

寒冷地で自給自足目的や小規模の自然農農家さんには、春先から早く育苗して畑に定植したいというニーズがあります。

自然農で野菜を育てるとどうしても成長が慣行農法にくらべてゆっくりなので時間がかかる傾向にあります。

そこでビニールハウスが活躍するわけですが、市販の既製品はどうしても規格が一定でなかなか限られた畑のスペースにマッチするものがなかったり、価格的に予算と合わなかったり、寒冷地特有の雪や強風への強度の問題などがでてきて既製品のビニールハウスの購入をためらってしまうこともあるかと思います。

私も場合も畑のスペースが限られているので、なかなか予算とサイズが合うものが見つかりませんでした。

そこでそれなら自分でできるだけリーズナブルに作ることができないかと思い、なんとか自力でミニビニールハウス(2m✕6m)を作ることができました!

この記事は、自作のミニビニールハウスの作り方を紹介して同じような悩みを持っている小規模農家さんや自給自足の家庭菜園を営んでいる方の参考になればと思います。

では、早速みていきましょう!

自作ミニビニールハウスの作り方を紹介

ミニビニールハウス

完成のイメージを持ってもらったほうがいいので、完成形から紹介していきます!

ミニビニールハウスのほぼ完成の状態が上の画像です^^;

完成サイズは、間口2m、奥行き6m、高さ2mです。

面積は、12㎡(約4坪)。

ビニールハウスの中にはいると結構広いです。

このサイズが私の畑の空きスペースにはジャストサイズでした(^^)

この記事を読んでもらうとこんなビニールハウスが自作で作れますよ!

では、実際のビニールハウスの作り方を順を追って紹介していきます。

ざっと以下のような手順があります。

① 場所の選定と整地

② 図面作成と部材リストの作成

③ 部材の調達

④ スミ付け、部材加工

⑤ 骨組みの組み立て

⑥ ビニールシート張り

⑦ 扉作成と取り付け

⑧ 完成

この作業の流れにそって詳しく紹介していきます。

ミニビニールハウス組み立てに必要な工具

  • 電動ドリル・ドライバー
  • 巻き尺
  • コンベックス
  • 直角定規
  • 油性マジック
  • パイプカッター
  • 万力などの固定具
  • ハンマー(杭打ち込み用の1kgぐらい重さ)
  • 金づち

① 設置場所の選定と整地

育苗用のビニールハウスを設置しようとするとどうしても畑の隅のほうあまり畝として活用できなさそうなスペースの有効活用という感じになりますね。

できるだけ平らな場所で半日日陰になるような場所が向いていると思います。

整地は、設置サイズよりも一回り大きいサイズで整地しておくと良いです。

今回の事例では、ハウスサイズが2✕6mなので3✕8mぐらいを雑草の種がある表土を鍬などで削り取りながらできるだけ平坦に整地しました。

長い方をより広く整地したのは、ドアの開閉と作業用スペースの確保のためです。

整地の際は、簡易的に目印の支柱を立ててナイロン紐などで縄張りをしておくとと良いです。

② 図面作成と部材リストの作成

図面作成といっても現場作業の際に寸法などが確認できるようなスケッチ程度で良いと思います。

いらない紙にフリーハンドでいいので上から見た図と側面、間口からみた図を書いて、必要な寸法を入れておきます。

こんな感じのラフスケッチでOK^^;

絵が下手すぎてm(_ _)m汗

自家製ミニビニールハウスの部材リストと参考価格

ハウス骨組み部材

  • ビニールシートPO(天井) 2.7m✕7m 約2500円
  • ビニールシート(側面) 2.3✕10m @3180円 2個 6360円
  • 防虫ネット 1.8✕10m 1980円
  • トマトかきゅうり用の支柱組 13組 @767円 9,971円
  • 直管パイプ(19mm)3.6m 17本(巻き上げ用パイプ含む) @877 14,909円
  • ビニペット 3.6m✕4本 @700円 2,800円
  • ビニペットスプリング 10本入 100円
  • 巻き上げ器 3,000円
  • ハウスパッカー19 10個入✕7袋 @248円 約1700円
  • ME自在Tキャップ 10個入 980円
  • フックバンド @258円 10個入り✕6袋 1290円
  • 端末フック1号 5個入 2袋 @996円 1,992円
  • 直管ジョイント19 5本入 348円
  • 直管ジョイント ビス止めタイプ 13個 @98円 1274円
  • ドリルビス 約50本 約300円

ドア用骨組み部材

  • コーナーエルボ(19mm)  4個 @238円 計 952円
  • ドア引き手19 438円

天井用のビニールPOはm単位で通販から購入可能です。

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部材価格は、合計 49,500円!

部材を新品で揃えると約5万円弱の予算を組んで置く必要がありますね。

今回は、主要な支柱骨組みや直管パイプはすべて中古で格安やいただき物だったので私の持ち出し費用は、約2万円5千円ぐらいで済みました。

新品の半額で12㎡(4坪)の換気システム付きのビニールハウスが完成です。

既製品でも同じサイズのビニールハウスが通販でも購入できるようです。

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換気システムやドアはないタイプなので、このビニールハウスキットを購入して改良するというのもありでしょう。

前後にドア付きという仕様になると5万円以上になりますね。

 

予算に余裕があればこういうキットを購入するものありでしょう。

③ 部材の調達

必要部材の調達は、新品をネットやホームセンターなどで購入すればすべて揃います。

ですが、できるだけ安く済ませるなら中古品を探すのがおすすめです。

私の場合は、ジモティーという地元の人が不用品などの売買ができるネットサイト(アプリもある)を利用してトマトの支柱や直管パイプなど大きな部材を格安で手にいれました。

田舎の場合は、高齢でやめていく農家さんも多いので地元の農家さんなどと知り合いになっておいて情報収集しておくとハウスの部材などを譲ってもらえるケースがあります。

声をかけておくと意外に情報が入ってきます。

普段から顔見知りになっておく必要があるので時間はかかりますが、無料で頂ける場合もあるのでおすすめです(^^)

④ 墨付けと部材加工

部材加工の寸法がわかれば、油性マジックなどで支柱や直管パイプにスミ付けをしていきます。

作業台などの上で同じ部材を並べていっきに墨付けしたほうが狂いはないです。

支柱には、横方向のパイプの取り付け位置など墨付けしておきます。

墨付けが終われば、直管パイプ(3.6m)を3mにカットしていきます。

余った60cmは、天井部分の拡幅用に使用します。

パイプのカットには、パイプカッターがとても便利で綺麗にカットできるのでおすすめです。

私が使っているのは、この👇パイプカッターです。

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これなかなか良い切れ味です。

手軽で電源がいらないし、火花もでないので安全にカットできる!

⑤ 支柱骨組みの組み立て

部材の墨付け、カットが完了したらいよいよ支柱骨組みの組み立てに入ります。

トマト用の支柱には天井部の接合はオスメスの差し込み式になっています。

まずメスのほうに60cmにカットしたパイプを継ぎ手を使って接続します。

いろんなタイプの継ぎ手が販売されていますが、上の画像のものはドライバーで接合できるタイプのものです。

他の継ぎ手は、中子タイプでパイプの中に一回り細い棒を入れて外側からドリルビスで穴をあけて止めるタイプのものあります。

そのタイプは、ドリルビスで穴をあけるのが面倒です^^;

支柱の加工が完了したら、

整地したところに2m✕6mの縄張りをします。

水糸と杭できるだけしっかりと四角の90度がでるように水糸を張ります。

90度の出し方は、大きなコンパネベニア板や棒で90度が出ている大型スケールを自作して当てながら水糸を張ると便利です。

2人以上のお手伝いさんがいる場合は、三平方の定理で直角三角形の各辺の長さは3:4:5の比になるので巻き尺を使ってこの比になるように巻き尺を当てながらポイントを落としていくと90度が出せます。

縄張りができたら巻き尺を当てながら50cmごとに仮杭(支柱と同じ19mm)で30cmの深さに穴をあけていきます。

仮穴ができたら支柱を立てていきます

13組の支柱が立ち上がったら、天井部分を接合していきます。

これは、脚立に乗りながら手で差し込んいくことができます。

この作業が終わると地面に近いほうから横方向の通しパイプをバンドを使いながら先につけたマジックの墨付けラインに沿って設置していきます。

直管パイプの継ぎ手は、中子タイプで継ぎます。

使う継ぎ手は、こちら👇

パイプの端部は、端末フックというこちら👇の金具を使います。

一人でもできますが、2人いると設置作業がやりやすいです(^^)

サイドの通しパイプが設置できたら水準器を使って水平の確認をしてくださいね。

マジックの墨付けラインに沿って設置しても支柱の入り具合で水平がでていない場合があります。

磁石付きの小型水準器は便利ですよ(^^)

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横方向のパイプが設置できれば基本的に骨組みは完成です。

次に天井部分から下がってきたところのパイプの少し上辺り(10cmほど上)にビニペットを設置します。

ビニペットの設置には、カチックスというビニペット用の金具を使用します。

このジョイント金具は全部で22個使いますが、支柱一つ飛ばしぐらいで設置しても強度的には問題ないと思います。

金具個数を最小限にするなら10個あれば設置できます。

ビニペットの端部は、コーナージョイント金具が4つ必要です。

この金具でパイプとビニペットを接続します。

あとは、間口面の梁と扉枠のパイプの設置です。

扉枠の高さは、180cmぐらいが適当かと思います。

こらの寸法は、現場合わせで任意の必要な長さを測りながらパイプカットをして設置していけばOKです。

ここまでできればあとはビニールシート張りです。

⑥ ビニールシートと防虫ネット張り

側面を張って、最後に天井部分のビニールシートを張ります。

天井部分は、ビニールシートの表裏を間違えないように張ります。

ビニールシートに表裏の指示があるのでよく見て張りましょう。

ビニールシートは、張りやすいように蛇腹状に折りたたまれているのでいきなり広げないで端から適宜パッカーで仮止めしながら徐々に展開していけば綺麗に張ることができます。

側面に換気用の巻き上げ器を設置する場合は、防虫ネットを張ってからビニールシートを張ります。

ビニペットに止めるのは、最後です。天井部分のビニールシートを張ってから側面の防虫ネット、ビニールシートと一緒にとめるようにします。

扉部分の間口もあとで張ってもいいですが、側面を張るときに一緒に張ってしまい、あとで扉部分を切り取る方が張りやすいかもしれません。

⑦ 扉制作と設置

扉は、片開きで開く方向を決めて丁番を取り付けます。

扉の大きさは、ハウス側の扉枠よりも一回り大きくすると強風で扉がハウス内に押し込まれることを防ぐことができます。

扉の枠は、コーナーエルボという金具を使うと強度もあって良いです。

コーナーエルボとパイプは、ドリルビスで固定します。

必要なら扉取手を取り付けておくと良いです。

今回は、中古品を利用できたので予算的にも余裕ができたので換気用の巻き上げ器を設置しています。

巻き上げ器があると換気がしやすいですね。

予算に余裕があれば設置をおすすめします。

扉の立て付けについては、今後まだ改良が必要な状態です。

上の画像のように扉とハウスに隙間ができてしまうので、ハウス側に防虫ネットのカーテンの設置を検討しています。

今後の改善点です。

まとめ

ミニビニールハウス制作にかかった時間は、約1日です。

ハウスができてしまえばあとはハウス内の準備ですが、落ち葉温床を作って春先の育苗準備を行う予定です。

落ち葉温床については、後日制作過程を紹介していきます。

 

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